新蔵は我知らず堅くなって、じっと耳を澄ませましたが、襖一重向うに隠れている、お敏のけはいを除いては、何一つ聞えるものもありません。
すると婆は益々眼をぎょろつかせて、「聞えぬかいの。
おぬしのような若いのが、そこな石河岸の石の上で、ついているため息が聞えぬかいの。
新蔵は我知らず堅くなって、じっと耳を澄ませましたが、襖一重向うに隠れている、お敏のけはいを除いては、何一つ聞えるものもありません。
すると婆は益々眼をぎょろつかせて、「聞えぬかいの。
おぬしのような若いのが、そこな石河岸の石の上で、ついているため息が聞えぬかいの。