これに荒胆を挫がれた新蔵は、もう五分とその場に居たたまれず、捨台辞を残すのもそこそこで、泣いているお敏さえ忘れたように、蹌踉とお島婆さんの家を飛び出しました。
さて日本橋の家へ帰って、明くる日起きぬけに新聞を見ると、果して昨夜竪川に身投げがあった。
――それも亀沢町の樽屋の息子で、原因は失恋、飛びこんだ場所は、一の橋と二の橋との間にある石河岸と出ているのです。
これに荒胆を挫がれた新蔵は、もう五分とその場に居たたまれず、捨台辞を残すのもそこそこで、泣いているお敏さえ忘れたように、蹌踉とお島婆さんの家を飛び出しました。
さて日本橋の家へ帰って、明くる日起きぬけに新聞を見ると、果して昨夜竪川に身投げがあった。
――それも亀沢町の樽屋の息子で、原因は失恋、飛びこんだ場所は、一の橋と二の橋との間にある石河岸と出ているのです。