そう思うともう新蔵は、おちおち寝てもいられないような気がしますから、四日目には床を離れるが早いか、とにもかくにも泰さんの所へ、知慧を借りに出かけようとすると、ちょうどそこへその泰さんの所から、電話がかかって来たじゃありませんか。
しかもその電話と云うのが、ほかならないお敏の一件で、聞けば昨夜遅くなってから、泰さんの所へお敏が来た。
そうして是非一度若旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前奉公していた御店へ、電話もまさかかけられないから、あなたに言伝てを頼みたい――と云う用向きだったそうです。