芥川龍之介 『或阿呆の一生』 彼は走つてゐる小蒸汽の窓から向う島の桜を眺めてゐた。 花を盛つた桜は彼の目には一列の襤褸のやうに憂欝だつた。 が、彼はその桜に、――江戸以来の向う島の桜にいつか彼自身を見出してゐた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア