その中にうす甘い匀のするのは、人知れず木の間に腐つて行く花や果物の香りかも知れない。
と思へば路ばたの水たまりの中にも、誰が摘んで捨てたのか、青ざめた薔薇の花が一つ、土にもまみれずに匀つてゐた。
もしこの秋の匀の中に、困憊を重ねたおれ自身を名残りなく浸す事が出来たら――
その中にうす甘い匀のするのは、人知れず木の間に腐つて行く花や果物の香りかも知れない。
と思へば路ばたの水たまりの中にも、誰が摘んで捨てたのか、青ざめた薔薇の花が一つ、土にもまみれずに匀つてゐた。
もしこの秋の匀の中に、困憊を重ねたおれ自身を名残りなく浸す事が出来たら――