のみならず更に不思議な事には、おれが立つて見てゐる間に、何処からか飛んで来た鴉が二三羽、さつと大きな輪を描くと、黙然と箒を使つてゐる二人の肩や頭の上へ、先を争つて舞ひ下つた。
が、二人は依然として、砂上に秋を撒き散らした篠懸の落葉を掃いてゐる。
おれは徐に踵を返して、火の消えた葉巻を啣へながら、寂しい篠懸の間の路を元来た方へ歩き出した。
のみならず更に不思議な事には、おれが立つて見てゐる間に、何処からか飛んで来た鴉が二三羽、さつと大きな輪を描くと、黙然と箒を使つてゐる二人の肩や頭の上へ、先を争つて舞ひ下つた。
が、二人は依然として、砂上に秋を撒き散らした篠懸の落葉を掃いてゐる。
おれは徐に踵を返して、火の消えた葉巻を啣へながら、寂しい篠懸の間の路を元来た方へ歩き出した。