さうしてそこから、或得體の知れない朗な心もちが湧き上つて來るのを意識した。
私は昂然と頭を擧げて、まるで別人を見るやうにあの小娘を注視した。
小娘は何時かもう私の前の席に返つて、不相變皸だらけの頬を萌黄色の毛絲の襟卷に埋めながら、大きな風呂敷包みを抱へた手に、しつかりと三等切符を握つてゐる。
さうしてそこから、或得體の知れない朗な心もちが湧き上つて來るのを意識した。
私は昂然と頭を擧げて、まるで別人を見るやうにあの小娘を注視した。
小娘は何時かもう私の前の席に返つて、不相變皸だらけの頬を萌黄色の毛絲の襟卷に埋めながら、大きな風呂敷包みを抱へた手に、しつかりと三等切符を握つてゐる。