しかも冷かな空気の底には、下の庭園から上つて来る苔の匂や落葉の匂が、かすかに寂しい秋の呼吸を漂はせてゐるやうであつた。
が、すぐ後の舞踏室では、やはりレエスや花の波が、十六菊を染め抜いた紫縮緬の幕の下に、休みない動揺を続けてゐた。
さうして又調子の高い管絃楽のつむじ風が、相不変その人間の海の上へ、用捨もなく鞭を加へてゐた。
しかも冷かな空気の底には、下の庭園から上つて来る苔の匂や落葉の匂が、かすかに寂しい秋の呼吸を漂はせてゐるやうであつた。
が、すぐ後の舞踏室では、やはりレエスや花の波が、十六菊を染め抜いた紫縮緬の幕の下に、休みない動揺を続けてゐた。
さうして又調子の高い管絃楽のつむじ風が、相不変その人間の海の上へ、用捨もなく鞭を加へてゐた。