楚の先に蛇の死骸をひっかけた、町の子供が三四人、病人の小屋の外を通りかかると、中でもいたずらな一人が、遠くから及び腰になって、その蛇を女の顔の上へほうり上げた。
青く脂の浮いた腹がぺたり、女の頬に落ちて、それから、腐れ水にぬれた尾が、ずるずるあごの下へたれる――と思うと、子供たちは、一度にわっとわめきながら、おびえたように、四方へ散った。
今まで死んだようになっていた女が、その時急に、黄いろくたるんだまぶたをあけて、腐った卵の白味のような目を、どんより空に据えながら、砂まぶれの指を一つびくりとやると、声とも息ともわからないものが、干割れたくちびるの奥のほうから、かすかにもれて来たからである。