さすがの夏の日も、斜めにつき出した、高い瓦にさえぎられて、ここまではさして来ない。
後ろを見ると、うす暗い中に、一体の金剛力士が青蓮花を踏みながら、左手の杵を高くあげて、胸のあたりに燕の糞をつけたまま、寂然と境内の昼を守っている。
――次郎は、ここへ来て、始めて落ち着いて、自分の心もちが考えられるような気になった。
さすがの夏の日も、斜めにつき出した、高い瓦にさえぎられて、ここまではさして来ない。
後ろを見ると、うす暗い中に、一体の金剛力士が青蓮花を踏みながら、左手の杵を高くあげて、胸のあたりに燕の糞をつけたまま、寂然と境内の昼を守っている。
――次郎は、ここへ来て、始めて落ち着いて、自分の心もちが考えられるような気になった。