日の光は、相変わらず目の前の往来を、照り白ませて、その中にとびかう燕の羽を、さながら黒繻子か何かのように、光らせている。
大きな日傘をさして、白い水干を着た男が一人、青竹の文挾にはさんだ文を持って、暑そうにゆっくり通ったあとは、向こうに続いた築土の上へ、影を落とす犬もない。
次郎は、腰にさした扇をぬいて、その黒柿の骨を、一つずつ指で送ったり、もどしたりしながら、兄と自分との関係を、それからそれへ、思い出した。
日の光は、相変わらず目の前の往来を、照り白ませて、その中にとびかう燕の羽を、さながら黒繻子か何かのように、光らせている。
大きな日傘をさして、白い水干を着た男が一人、青竹の文挾にはさんだ文を持って、暑そうにゆっくり通ったあとは、向こうに続いた築土の上へ、影を落とす犬もない。
次郎は、腰にさした扇をぬいて、その黒柿の骨を、一つずつ指で送ったり、もどしたりしながら、兄と自分との関係を、それからそれへ、思い出した。