その時もし、どこからか猿のようなものが、走って来て、帷子の裾を月にひるがえしながら、彼らの中へとびこまなかったとしたならば、猪熊の爺は、すでに、あえない最後を遂げていたのに相違ない。
が、その猿のようなものは、彼と相手との間を押しへだてると、とっさに小刀をひらめかして、相手の乳の下へ刺し通した。
そうして、それとともに、相手の横に払った太刀をあびて、恐ろしい叫び声を出しながら、焼け火箸でも踏んだように、勢いよくとび上がると、そのまま、向こうの顔へしがみついて、二人いっしょにどうと倒れた。
その時もし、どこからか猿のようなものが、走って来て、帷子の裾を月にひるがえしながら、彼らの中へとびこまなかったとしたならば、猪熊の爺は、すでに、あえない最後を遂げていたのに相違ない。
が、その猿のようなものは、彼と相手との間を押しへだてると、とっさに小刀をひらめかして、相手の乳の下へ刺し通した。
そうして、それとともに、相手の横に払った太刀をあびて、恐ろしい叫び声を出しながら、焼け火箸でも踏んだように、勢いよくとび上がると、そのまま、向こうの顔へしがみついて、二人いっしょにどうと倒れた。