おりから辻を曲がった彼は、行く手の月の中に、二十と言わず三十と言わず、群がる犬の数を尽くして、びょうびょうとほえ立てる声を聞いた。
しかも、その中にただ一人、太刀をかざした人の姿が、くずれかかった築土を背負って、おぼろげながら黒く見える。
と思う間に、馬は、高くいななきながら、長い鬣をさっと振るうと、四つの蹄に砂煙をまき上げて、またたく暇に太郎をそこへ疾風のように持って行った。
おりから辻を曲がった彼は、行く手の月の中に、二十と言わず三十と言わず、群がる犬の数を尽くして、びょうびょうとほえ立てる声を聞いた。
しかも、その中にただ一人、太刀をかざした人の姿が、くずれかかった築土を背負って、おぼろげながら黒く見える。
と思う間に、馬は、高くいななきながら、長い鬣をさっと振るうと、四つの蹄に砂煙をまき上げて、またたく暇に太郎をそこへ疾風のように持って行った。