芥川龍之介 『偸盗』 ――その尾の先をかすめながら、犬は、むなしく次郎の脛布を食いちぎって、うずまく獣の波の中へ、まっさかさまに落ちて行った。 が、次郎は、それをうつくしい夢のように、うっとりした目でながめていた。 彼の目には、天も見えなければ、地も見えない。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア