芥川龍之介 『偸盗』 が、次郎は、それをうつくしい夢のように、うっとりした目でながめていた。 彼の目には、天も見えなければ、地も見えない。 ただ、彼をいだいている兄の顔が、――半面に月の光をあびて、じっと行く手を見つめている兄の顔が、やさしく、おごそかに映っている。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア