ただ、彼をいだいている兄の顔が、――半面に月の光をあびて、じっと行く手を見つめている兄の顔が、やさしく、おごそかに映っている。
彼は、限りない安息が、おもむろに心を満たして来るのを感じた。
母のひざを離れてから、何年にも感じた事のない、静かな、しかも力強い安息である。
ただ、彼をいだいている兄の顔が、――半面に月の光をあびて、じっと行く手を見つめている兄の顔が、やさしく、おごそかに映っている。
彼は、限りない安息が、おもむろに心を満たして来るのを感じた。
母のひざを離れてから、何年にも感じた事のない、静かな、しかも力強い安息である。