芋の穴と云うのは芋を囲う一畳敷ばかりの土室である。
伝吉はその穴の中に俵の藁をかぶったまま、じっと息をひそめていた。
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ねけるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き候』とぞ欺きける。
芋の穴と云うのは芋を囲う一畳敷ばかりの土室である。
伝吉はその穴の中に俵の藁をかぶったまま、じっと息をひそめていた。
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ねけるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き候』とぞ欺きける。