伝吉はその穴の中に俵の藁をかぶったまま、じっと息をひそめていた。
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ねけるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き候』とぞ欺きける。
平四郎その方へ追い行かんとせしが、ふと伝三の舌を吐きたるを見咎め、『土百姓めが、大胆にも□□□□□□□□□□□(虫食いのために読み難し)とて伝三を足蹴にかけければ、不敵の伝三腹を据え兼ね、あり合う鍬をとるより早く、いざさらば土百姓の腕を見せんとぞ息まきける。
伝吉はその穴の中に俵の藁をかぶったまま、じっと息をひそめていた。
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ねけるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き候』とぞ欺きける。
平四郎その方へ追い行かんとせしが、ふと伝三の舌を吐きたるを見咎め、『土百姓めが、大胆にも□□□□□□□□□□□(虫食いのために読み難し)とて伝三を足蹴にかけければ、不敵の伝三腹を据え兼ね、あり合う鍬をとるより早く、いざさらば土百姓の腕を見せんとぞ息まきける。