しかしお鈴はそれだけ一層母を気の毒に思い、父が妾宅へ出かけた後でも母には「きょうは詩の会ですって」などと白々しい譃をついたりしていた。
その譃が役に立たないことは彼女自身も知らないのではなかった。
が、時々母の顔に冷笑に近い表情を見ると、譃をついたことを後悔する、――と云うよりも寧ろ彼女の心も汲み分けてくれない腰ぬけの母に何か情無さを感じ勝ちだった。
しかしお鈴はそれだけ一層母を気の毒に思い、父が妾宅へ出かけた後でも母には「きょうは詩の会ですって」などと白々しい譃をついたりしていた。
その譃が役に立たないことは彼女自身も知らないのではなかった。
が、時々母の顔に冷笑に近い表情を見ると、譃をついたことを後悔する、――と云うよりも寧ろ彼女の心も汲み分けてくれない腰ぬけの母に何か情無さを感じ勝ちだった。