何処か寂しい町の古道具屋の店に、たつた一幅売り残された、九霞山樵の水墨山水――僕は時時退屈すると弥勒の出世でも待つもののやうに、こんな空想にさへ耽る事がある。
二 にきび
昔「羅生門」と云ふ小説を書いた時、主人公の下人の頬には、大きい面皰のある由を書いた。
何処か寂しい町の古道具屋の店に、たつた一幅売り残された、九霞山樵の水墨山水――僕は時時退屈すると弥勒の出世でも待つもののやうに、こんな空想にさへ耽る事がある。
二 にきび
昔「羅生門」と云ふ小説を書いた時、主人公の下人の頬には、大きい面皰のある由を書いた。