「袈裟と盛遠」と云ふ独白体の小説を、四月の中央公論で発表した時、或大阪の人からこんな手紙を貰つた。
「袈裟は亘の義理と盛遠の情とに迫られて、操を守る為に死を決した烈女である。
それを盛遠との間に情交のあつた如く書くのは、烈女袈裟に対しても気の毒なら、国民教育の上にも面白からん結果を来すだらう。
「袈裟と盛遠」と云ふ独白体の小説を、四月の中央公論で発表した時、或大阪の人からこんな手紙を貰つた。
「袈裟は亘の義理と盛遠の情とに迫られて、操を守る為に死を決した烈女である。
それを盛遠との間に情交のあつた如く書くのは、烈女袈裟に対しても気の毒なら、国民教育の上にも面白からん結果を来すだらう。