それならどうして私に、時と処とを超越した美の存在などが信じられよう。
成程ダンテの地獄の火は、今も猶東方の豎子をして戦慄せしむるものがあるかも知れない。
けれどもその火と我我との間には、十四世紀の伊太利なるものが雲霧の如くにたなびいてゐるではないか。
それならどうして私に、時と処とを超越した美の存在などが信じられよう。
成程ダンテの地獄の火は、今も猶東方の豎子をして戦慄せしむるものがあるかも知れない。
けれどもその火と我我との間には、十四世紀の伊太利なるものが雲霧の如くにたなびいてゐるではないか。