沢山ならこれで切り上げるが、世間には自分の如く怪しげな書画を玩んで無名の天才に敬意を払ふの士が存外多くはないかと思ふ。
それらの士は、俗悪なる新画に巨万の黄金を抛つて顧みない天下の富豪に比べると、少くとも趣味の独立してゐる点で尊敬に価する人々である。
そこで自分は聊かそれらの士と共に、真贋の差別に煩はされない清興の存在を主張したかつたから、ここにわざわざ以上の饒舌を活字にする事を敢てした。
沢山ならこれで切り上げるが、世間には自分の如く怪しげな書画を玩んで無名の天才に敬意を払ふの士が存外多くはないかと思ふ。
それらの士は、俗悪なる新画に巨万の黄金を抛つて顧みない天下の富豪に比べると、少くとも趣味の独立してゐる点で尊敬に価する人々である。
そこで自分は聊かそれらの士と共に、真贋の差別に煩はされない清興の存在を主張したかつたから、ここにわざわざ以上の饒舌を活字にする事を敢てした。