それは古風な大和琴だの筝だのといふ楽器を鳴らして、緋の袴をはいた小さな――非常に小さな――巫女が舞ふのが、矢張り優美だつたといふ記憶がのこつてゐる。
勿論其時分は春日の社も今のやうに修覆が出来なかつたし、全体がもつと古ぼけてきたなかつたから、それだけよかつたといふ訣だ。
さういふ京都とか奈良とかいふ処は度々ゆくが、冬といふとどうもその最初の時の記憶が一番鮮かなやうな気がする。
それは古風な大和琴だの筝だのといふ楽器を鳴らして、緋の袴をはいた小さな――非常に小さな――巫女が舞ふのが、矢張り優美だつたといふ記憶がのこつてゐる。
勿論其時分は春日の社も今のやうに修覆が出来なかつたし、全体がもつと古ぼけてきたなかつたから、それだけよかつたといふ訣だ。
さういふ京都とか奈良とかいふ処は度々ゆくが、冬といふとどうもその最初の時の記憶が一番鮮かなやうな気がする。