芥川龍之介
西洋の幽霊――西洋と云つても英米だけだが、その英米の小説に出て来る、近頃の幽霊の話でも少ししませう。
少し古い所から勘定すると、英吉利には名高い「オトラントの城」を書いたウオルポオル、ラドクリツフ夫人、マテユリン(この人の「メルモス」は、バルザツクやゲエテにも影響を与へたので有名だが)、「僧」を書いて僧ルイズの渾名をとつたルイズ、スコツト、リツトン、ボツグなどがあるし、亜米利加にはポオやホウソオンがあるが、幽霊――或は一般に妖怪を書いた作品は今でも存外少くない。
芥川龍之介
西洋の幽霊――西洋と云つても英米だけだが、その英米の小説に出て来る、近頃の幽霊の話でも少ししませう。
少し古い所から勘定すると、英吉利には名高い「オトラントの城」を書いたウオルポオル、ラドクリツフ夫人、マテユリン(この人の「メルモス」は、バルザツクやゲエテにも影響を与へたので有名だが)、「僧」を書いて僧ルイズの渾名をとつたルイズ、スコツト、リツトン、ボツグなどがあるし、亜米利加にはポオやホウソオンがあるが、幽霊――或は一般に妖怪を書いた作品は今でも存外少くない。