僕は、いつかMが、他人の細君に恋してゐると云ふ話を創作した。
尤も一切の社会的覊絆を蹂躙して、その女と結婚する事が男らしい如く、自分の恋を打明けずにおくのも男らしいと云ふ信念から、依然として、童貞を守りながら、その女ときれいな交際をしてゐると云ふ筋なのだがね。
すると、それを聞いた僕の友だちの小説家は、それ以来、大にMに推服してしまつたぢやあないか。
僕は、いつかMが、他人の細君に恋してゐると云ふ話を創作した。
尤も一切の社会的覊絆を蹂躙して、その女と結婚する事が男らしい如く、自分の恋を打明けずにおくのも男らしいと云ふ信念から、依然として、童貞を守りながら、その女ときれいな交際をしてゐると云ふ筋なのだがね。
すると、それを聞いた僕の友だちの小説家は、それ以来、大にMに推服してしまつたぢやあないか。