――そこまでは、まあよかつたんだ。
それがハムレツトの台辞よろしくあつて、だんだんあいつが太夫につめよつて来た時に、間の悪い時は又間の悪いもので、奈良茂の大将が一杯機嫌でどこで聞きかじったか、「What, ho! help! help! help!」とポロニアスの声色を使つたぢやないか。
南瓜のやつはそれを聞くと、急に死人のやうな顔になつて、息がつまりさうな声を出しながら、「How, now! A rat? Dead for a ducat, dead!」と云ふが早いか、いきなり奈良茂の側にあつた鮫鞘の脇差を引こぬいて、ずぶりと向うの胸へ突こんだんだ。