それから何とか云ふ宿屋へとまつたら、隣座敷に立派な紳士が泊り合せてゐて、その人が又非常に湯が好きだつたものだから、あくる日は朝から六度も一しよに風呂へ行つた。
さうしたら腹の底からへとへとにくたびれて、廊下を歩くのさへ大儀になつた。
けれどもくたびれた儘で、安閑と宿屋へ尻を据ゑてもゐられないから、その日の暮方その紳士と三人で、高崎の停車場まで下つて来たが、さて停車場へ来てみると、我々の財布には上野までの汽車賃さへ残つてゐない。
それから何とか云ふ宿屋へとまつたら、隣座敷に立派な紳士が泊り合せてゐて、その人が又非常に湯が好きだつたものだから、あくる日は朝から六度も一しよに風呂へ行つた。
さうしたら腹の底からへとへとにくたびれて、廊下を歩くのさへ大儀になつた。
けれどもくたびれた儘で、安閑と宿屋へ尻を据ゑてもゐられないから、その日の暮方その紳士と三人で、高崎の停車場まで下つて来たが、さて停車場へ来てみると、我々の財布には上野までの汽車賃さへ残つてゐない。