Hと云ふ若い亜米利加人が自分の家へ遊びに来て、いきなりポケツトから下足札を一枚出すと、「何だかわかるか」と自分に問ひかけた。
下足札はまだ木の匀がする程新しい板の面に、俗悪な太い字で「雪の十七番」と書いてある。
自分はその書体を見ると、何故か両国の橋の袂へ店を出してゐる甘酒屋の赤い荷を思ひ出した。
Hと云ふ若い亜米利加人が自分の家へ遊びに来て、いきなりポケツトから下足札を一枚出すと、「何だかわかるか」と自分に問ひかけた。
下足札はまだ木の匀がする程新しい板の面に、俗悪な太い字で「雪の十七番」と書いてある。
自分はその書体を見ると、何故か両国の橋の袂へ店を出してゐる甘酒屋の赤い荷を思ひ出した。