硝子戸から客間を覗いて見ると、雨漏りの痕と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの天井に斑々とまだ残つてゐる。
が、十畳の座敷には、赤い五羽鶴の毯が敷いてあるから、畳の古びだけは分明でない。
この客間の西側(玄関寄り)には、更紗の唐紙が二枚あつて、その一枚の上に古色を帯びた壁懸けが一つ下つてゐる。
硝子戸から客間を覗いて見ると、雨漏りの痕と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの天井に斑々とまだ残つてゐる。
が、十畳の座敷には、赤い五羽鶴の毯が敷いてあるから、畳の古びだけは分明でない。
この客間の西側(玄関寄り)には、更紗の唐紙が二枚あつて、その一枚の上に古色を帯びた壁懸けが一つ下つてゐる。