それから五分の後、電車が動き出すと同時に、自分は又さつき読みかけた露西亜小説へとりかかつた。
すると一頁と読まない内に、ダイナマイトの臭ひよりも、今見た寒山拾得の怪しげな姿が懐しくなつた。
そこで窓から後を透して見ると、彼等はもう豆のやうに小さくなりながら、それでもまだはつきりと、朗な晩秋の日の光の中に、箒をかついで歩いてゐた。
それから五分の後、電車が動き出すと同時に、自分は又さつき読みかけた露西亜小説へとりかかつた。
すると一頁と読まない内に、ダイナマイトの臭ひよりも、今見た寒山拾得の怪しげな姿が懐しくなつた。
そこで窓から後を透して見ると、彼等はもう豆のやうに小さくなりながら、それでもまだはつきりと、朗な晩秋の日の光の中に、箒をかついで歩いてゐた。