そこで窓から後を透して見ると、彼等はもう豆のやうに小さくなりながら、それでもまだはつきりと、朗な晩秋の日の光の中に、箒をかついで歩いてゐた。
自分は吊革につかまつた儘、元の通り書物を懐に入れて、家へ帰つたら早速、漱石先生へ、今日飯田橋で寒山拾得に遇つたと云ふ手紙を書かうと思つた。
さう思つたら、彼等が現代の東京を歩いてゐるのも、略々無理がないやうな心もちがした。
そこで窓から後を透して見ると、彼等はもう豆のやうに小さくなりながら、それでもまだはつきりと、朗な晩秋の日の光の中に、箒をかついで歩いてゐた。
自分は吊革につかまつた儘、元の通り書物を懐に入れて、家へ帰つたら早速、漱石先生へ、今日飯田橋で寒山拾得に遇つたと云ふ手紙を書かうと思つた。
さう思つたら、彼等が現代の東京を歩いてゐるのも、略々無理がないやうな心もちがした。