芥川龍之介 『わが散文詩』 いや、少女の鼻のさきには、小さい銅の蓮華の香炉に線香が一本煙つてゐる。 その一本の線香の細さ、立ち昇る煙のたよたよしさ、――少女は勿論目を閉ぢたなり、線香の薫りを嗅いでゐるのである。 わたしは足音を盗みながら、円卓の前へ歩み寄つた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア