彼等が、火の燃える山と砂の流れる河との間にゐて、おごそかに獣の命をまもつてゐた「むかしむかし」の話である。
童話時代のうす明りの中に、一頭の兎と一頭の狸とは、それぞれ白い舟と黒い舟とに乗つて、静に夢の海へ漕いで出た。
永久にくづれる事のない波は、善悪の舟をめぐつて、懶い子守唄をうたつてゐる。
彼等が、火の燃える山と砂の流れる河との間にゐて、おごそかに獣の命をまもつてゐた「むかしむかし」の話である。
童話時代のうす明りの中に、一頭の兎と一頭の狸とは、それぞれ白い舟と黒い舟とに乗つて、静に夢の海へ漕いで出た。
永久にくづれる事のない波は、善悪の舟をめぐつて、懶い子守唄をうたつてゐる。