そこで娘は老人にその毒薬について聞きますと、老人が云ひますには、「私が今日宮城へ来ます途中で、一人の乞食が私に、一つの鉄の指環を呉れました。
その指環を嵌めてゐると、人の秘密は残らず分ると云ひましたが、私の長い経験から、何も人の秘密を知る必要はありませんから、その指環は嵌めずに、帯の間に入れて置きました。
しかし私が思ひますに、何処の王様でも、王様は我儘者ですから、もしも私が恥しめられる様な事がありましたら毒を呑んで死んでしまはうと思つて、かうして毒を持つてゐるのです。
そこで娘は老人にその毒薬について聞きますと、老人が云ひますには、「私が今日宮城へ来ます途中で、一人の乞食が私に、一つの鉄の指環を呉れました。
その指環を嵌めてゐると、人の秘密は残らず分ると云ひましたが、私の長い経験から、何も人の秘密を知る必要はありませんから、その指環は嵌めずに、帯の間に入れて置きました。
しかし私が思ひますに、何処の王様でも、王様は我儘者ですから、もしも私が恥しめられる様な事がありましたら毒を呑んで死んでしまはうと思つて、かうして毒を持つてゐるのです。