その指環を嵌めてゐると、人の秘密は残らず分ると云ひましたが、私の長い経験から、何も人の秘密を知る必要はありませんから、その指環は嵌めずに、帯の間に入れて置きました。
しかし私が思ひますに、何処の王様でも、王様は我儘者ですから、もしも私が恥しめられる様な事がありましたら毒を呑んで死んでしまはうと思つて、かうして毒を持つてゐるのです。
と云ふのを次の室で聞いてゐた王様は、自分の誤りから老人を疑つた事を深く詫びて、そこで食卓を共にする事となりました。
その指環を嵌めてゐると、人の秘密は残らず分ると云ひましたが、私の長い経験から、何も人の秘密を知る必要はありませんから、その指環は嵌めずに、帯の間に入れて置きました。
しかし私が思ひますに、何処の王様でも、王様は我儘者ですから、もしも私が恥しめられる様な事がありましたら毒を呑んで死んでしまはうと思つて、かうして毒を持つてゐるのです。
と云ふのを次の室で聞いてゐた王様は、自分の誤りから老人を疑つた事を深く詫びて、そこで食卓を共にする事となりました。