芥川龍之介 『戯作三昧』 老人は片々の足を洗ったばかりで、急に力がぬけたように手拭の手を止めてしまった。 そうして、濁った止め桶の湯に、鮮かに映っている窓の外の空へ眼を落した。 そこにはまた赤い柿の実が、瓦屋根の一角を下に見ながら、疎らに透いた枝を綴っている。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア