自分はさっき平吉が、最上級の語を使って八犬伝を褒めた時にも、格別嬉しかったとは思っていない。
そうしてみれば、今その反対に、自分が歌や発句を作ることの出来ない人間と見られたにしても、それを不満に思うのは、明らかに矛盾である。
とっさにこういう自省を動かした彼は、あたかも内心の赤面を隠そうとするように、あわただしく止め桶の湯を肩から浴びた。
自分はさっき平吉が、最上級の語を使って八犬伝を褒めた時にも、格別嬉しかったとは思っていない。
そうしてみれば、今その反対に、自分が歌や発句を作ることの出来ない人間と見られたにしても、それを不満に思うのは、明らかに矛盾である。
とっさにこういう自省を動かした彼は、あたかも内心の赤面を隠そうとするように、あわただしく止め桶の湯を肩から浴びた。