その後杳として消息を聞かないが、彼はまだ今まで、読本の稿を起しているだろうか。
そうしてそれがいつか日本中の人間に読まれることを、夢想しているだろうか。
馬琴はこの記憶の中に、長島政兵衛なるものに対する情けなさと、彼自身に対する情けなさとを同時に感ぜざるを得なかった。
その後杳として消息を聞かないが、彼はまだ今まで、読本の稿を起しているだろうか。
そうしてそれがいつか日本中の人間に読まれることを、夢想しているだろうか。
馬琴はこの記憶の中に、長島政兵衛なるものに対する情けなさと、彼自身に対する情けなさとを同時に感ぜざるを得なかった。