芥川龍之介 『疑惑』 ランプは相不変私とこの無気味な客との間に、春寒い焔を動かしていた。 私は楊柳観音を後にしたまま、相手の指の一本ないのさえ問い質して見る気力もなく、黙然と坐っているよりほかはなかった。 (大正八年六月) 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア