だからいくら戦争が続いても戦争らしい感じがしない。
その気楽な人間がふと停車場に紛れ込んで第一に眼に映じたのが日に焦けた顔と霜に染った髯である。
戦争はまのあたりに見えぬけれど戦争の結果――たしかに結果の一片、しかも活動する結果の一片が眸底を掠めて去った時は、この一片に誘われて満洲の大野を蔽う大戦争の光景がありありと脳裏に描出せられた。
だからいくら戦争が続いても戦争らしい感じがしない。
その気楽な人間がふと停車場に紛れ込んで第一に眼に映じたのが日に焦けた顔と霜に染った髯である。
戦争はまのあたりに見えぬけれど戦争の結果――たしかに結果の一片、しかも活動する結果の一片が眸底を掠めて去った時は、この一片に誘われて満洲の大野を蔽う大戦争の光景がありありと脳裏に描出せられた。