こういうような仕末で、その日はただ十時間ばかり海の風に吹かれただけで、鴨は一羽も獲れずしまった。
しかし、鴨の獲れない事を痛快がっていた桂月先生も、もう一度、一ノ橋の河岸へあがると、酔いもすこし醒めたと見え「僕は小供に鴨を二羽持って帰ると約束をしてきたのだが、どうにかならないものかなあ、何でも小供はその鴨を学校の先生にあげるんだそうだ」と云いだした。
そこで黐で獲った鴨を、近所の鳥屋から二羽買って来させることにした。
こういうような仕末で、その日はただ十時間ばかり海の風に吹かれただけで、鴨は一羽も獲れずしまった。
しかし、鴨の獲れない事を痛快がっていた桂月先生も、もう一度、一ノ橋の河岸へあがると、酔いもすこし醒めたと見え「僕は小供に鴨を二羽持って帰ると約束をしてきたのだが、どうにかならないものかなあ、何でも小供はその鴨を学校の先生にあげるんだそうだ」と云いだした。
そこで黐で獲った鴨を、近所の鳥屋から二羽買って来させることにした。