「涙は理智の薄明り、感情の灯し火」とうたえる久米、真白草花の涼しげなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える妓の愛想よく酒を勧むる暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そう云う多感多情の久米の愛すべきことは誰でも云う。
が、私は殊に、如何なる悲しみをもおのずから堪える、あわれにも勇ましい久米正雄をば、こよなく嬉しく思うものである。
この久米はもう弱気ではない。
「涙は理智の薄明り、感情の灯し火」とうたえる久米、真白草花の涼しげなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える妓の愛想よく酒を勧むる暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そう云う多感多情の久米の愛すべきことは誰でも云う。
が、私は殊に、如何なる悲しみをもおのずから堪える、あわれにも勇ましい久米正雄をば、こよなく嬉しく思うものである。
この久米はもう弱気ではない。