現に、昨今は、先生の校長を兼ねてゐる或高等専門学校の生徒が、愛読すると云ふ、唯、それだけの理由から、オスカア・ワイルドのデ・プロフンデイスとか、インテンシヨンズとか云ふ物さへ、一読の労を執つた。
さう云ふ先生の事であるから、今読んでゐる本が、欧洲近代の戯曲及俳優を論じた物であるにしても、別に不思議がる所はない。
何故と云へば、先生の薫陶を受けてゐる学生の中には、イブセンとか、ストリントベルクとか、乃至メエテルリンクとかの評論を書く学生が、ゐるばかりでなく、進んでは、さう云ふ近代の戯曲家の跡を追つて、作劇を一生の仕事にしようとする、熱心家さへゐるからである。