婦人は、はつきりした声で、かう名乗つて、それから、叮嚀に、会釈を返した。
西山憲一郎と云へば、先生も覚えてゐる。
やはりイブセンやストリントベルクの評論を書く生徒の一人で、専門は確か独法だつたかと思ふが、大学へはいつてからも、よく思想問題を提げては、先生の許に出入した。
婦人は、はつきりした声で、かう名乗つて、それから、叮嚀に、会釈を返した。
西山憲一郎と云へば、先生も覚えてゐる。
やはりイブセンやストリントベルクの評論を書く生徒の一人で、専門は確か独法だつたかと思ふが、大学へはいつてからも、よく思想問題を提げては、先生の許に出入した。