先生は、茶碗を下へ置いて、その代りに青い蝋を引いた団扇をとりあげながら、憮然として、かう云つた。
――とうとう、いけませんでしたかなあ。
丁度、これからと云ふ年だつたのですが……私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。
先生は、茶碗を下へ置いて、その代りに青い蝋を引いた団扇をとりあげながら、憮然として、かう云つた。
――とうとう、いけませんでしたかなあ。
丁度、これからと云ふ年だつたのですが……私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。