芥川龍之介 『槍ヶ嶽紀行』 もう薄暗い湯壺に浸つてゐると、ぽたりと何かが湯の上へ落ちた。 手に掬つて、流しの明りに見たら、馬陸と云ふ虫であつた。 手のひらの水の中に、その褐色の虫がはつきりと、伸びたり縮んだりするのを見る事は、妙に私を寂しくさせた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア