芥川龍之介 『槍ヶ嶽紀行』 男が階下へ去つた時、私はすぐに床を敷いて貰つて、古蚊帳の中に横になつた。 戸を明け放つた縁側の外には、暗い山に唯一点、赤い炭焼きの火が動いてゐた。 それがかすかながら、私の心に、旅愁とも云ふべき寂しさを運んで来た。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア