それが狭い峡谷の急な斜面を満たしながら、空を劃つた峯々の向うへ、目のとどく限り連つてゐた。
もし形容の言葉を着ければ、正に小さな私たち二人は、遠い山巓から漲り落ちる大石の洪水の上にゐるのであつた。
私たちはこの大石に溢れた谷を、――「黄花駒の爪」の咲いてゐる谷を、虫の這ふやうに登り出した。
それが狭い峡谷の急な斜面を満たしながら、空を劃つた峯々の向うへ、目のとどく限り連つてゐた。
もし形容の言葉を着ければ、正に小さな私たち二人は、遠い山巓から漲り落ちる大石の洪水の上にゐるのであつた。
私たちはこの大石に溢れた谷を、――「黄花駒の爪」の咲いてゐる谷を、虫の這ふやうに登り出した。