「山は自然の始にして又終なり」――私はその頂を眺める度に、かう云ふ文語体の感想を必心に繰返した。
それは確か以前読んだ、ラスキンの中にある言葉であつた。
その内に寒い霧の一団が、もう暗くなつた谷の下から、大石と偃ひ松との上を這つて、私たちの方へ上つて来た。
「山は自然の始にして又終なり」――私はその頂を眺める度に、かう云ふ文語体の感想を必心に繰返した。
それは確か以前読んだ、ラスキンの中にある言葉であつた。
その内に寒い霧の一団が、もう暗くなつた谷の下から、大石と偃ひ松との上を這つて、私たちの方へ上つて来た。